わたしたちは、日本の地方都市にホテルやレストランなどの観光施設を作ったり、地方自治体の街づくりのお手伝いをしている会社です。しかし、事業はあくまで手段であって、目的ではありません。わたしたちは、すべての事業を通じて「100年後の日本を作る」ことを目指しています。
100年後の日本を作る仕事とは、いったいどんなものなのか? なぜ、わたしがこの会社を立ち上げたのか? 少しだけお話をさせてください。
「100年後の日本を作る」
わたしたちは、日本の地方都市にホテルやレストランなどの観光施設を作ったり、地方自治体の街づくりのお手伝いをしている会社です。しかし、事業はあくまで手段であって、目的ではありません。わたしたちは、すべての事業を通じて「100年後の日本を作る」ことを目指しています。
100年後の日本を作る仕事とは、いったいどんなものなのか? なぜ、わたしがこの会社を立ち上げたのか? 少しだけお話をさせてください。
わたしは、Zen Resortsを創業するまでの20年間、テレビのドキュメンタリー番組や報道番組を作る仕事をしていました。いわゆる、TVディレクターです。「ガイアの夜明け」「ザ・ノンフィクション」「夢の扉」「ザ・スクープ」「素敵な宇宙船地球号」など、皆さんがご覧になったことがあるような番組も手がけていました。
20年のジャーナリスト人生を通じて、“日本の社会問題”をいろいろな角度からドキュメントし続けてきました。ブラック企業問題、自殺問題、温暖化などの自然環境問題。そして、ライフワークにしていたのが、過疎化で衰退していく地方の問題です。わたしは、取材を通じて日本の厳しい現実に直面するたびに、「この国に未来はあるのか?」と危機感を募らせていました。
しかし、どれだけ番組を通して危機感を訴えたところで、現実はなにも変わりませんでした。そこで、わたしは考え方を変えて、自分自身の生き方を変えることにしました。「自分の生きる社会の未来は、自分の手で作る」と胸に誓ったのです。そして、地方再生の仕事を始めることにしました。
ただ、臆病なわたしは、一人では心細かったので、テレビマン時代に出会った友人たちに声をかけました。オリンピック選手や一流ホテルマン、星付きシェフなどです。「一緒に、理想の未来を作らないか?」。その時に、賛同して集まってくれた仲間たちと作ったのが、いまの会社です。
地方再生のための会社を起業するにあたり、まずわたしが選んだのは「観光業」でした。
わたしは、学生時代やジャーナリスト時代に、世界100カ国以上を旅した経験があります。そこで出会ったさまざまな国の人たちからよく言われたのが、「日本って、まるで違う惑星かと思うくらい、面白い国だよね!」ということです。英語で言えば、Planet Japan(=日本という惑星)です。海外から見れば、わたしたちが思っている以上に、日本の伝統文化や暮らしは独特で特殊であり、”面白い”のです。
そこで、わたしは、Planet Japanの中でも特に日本らしさが残る地方都市20ヶ所に、「異文化を体験するホテル」を作ることを構想し、事業をスタートさせました。世界中から訪れるインバウンド観光客が、その地域ならではの文化体験や自然体験をすることで、地域の魅力に触れてくれる。地域のファンになってくれて、世界中にファンの輪が広がっていく。時間はかかるかもしれませんが、それこそが地方再生につながると考えたのです。
2019年、Zen Resortsの最初の事業として、長野県南木曽町に日本初の体験型ホテル「Zenagi」(ゼナギ)を開業しました。その直後には、コロナ禍という不測の事態も起きましたが、これから100年かけてPlanet Japanの魅力を世界へ伝えるための拠点を増やしていきます。
地方再生というのは、途方もなく難しい問題です。政府も、いまだに解決策を見出せていません。わたしは、たとえ地方再生ができるとしても、最低100年はかかると思っています。我々の世代だけでは成し遂げられないため、次の世代やその次の世代にまでバトンタッチしていく必要があります。逆に言えば、“100年かかる大仕事”をやれる楽しさがあります。難しいからこそ、時間がかかるからこそ、やりがいがあります。
ところで、皆さんは“100年後の日本”がどんな世界になっていると思いますか? あるいは、どんな世界になっていてほしいと思っていますか?
100年後の未来に、自分の生まれ育った故郷がどんな風景で、自分たちの子供や孫たちがどんな暮らしをしていて、どんなことで泣き笑いしているのか。どれだけドキドキ・ワクワクする世界が、そこにあるのか。
わたしたちの会社では、まずは自分たちにとっての“理想の未来”を夢見るようにしています。
「こんな世界があったらいいな」と、夢のスケッチを描くことから事業をスタートさせています。100年後の素敵な日本を夢見ながら、小さな一歩を着実に踏みしめています。
小さな会社の大きな挑戦を、応援していただけますと幸いです。